境界から見る景色

はじめましての気持ち

きっと



魂になった父が


私と一緒に観て


残した画像、かも。




夏、特別な日に


特別な場所に行ける。


今年初めて知った。


行きたい!そう思った事を叶えた




その帰り道、路肩に寄せ車を降りて


感動的な夜景にスマホを向けた。


そしたら


勝手にシャッターが連続で切れた。


触れてもいないのに。




その連続押しは・・晩年の父だった


老化でうまくボタンが押せなくて


いつもスマホカメラ機能では


連写になって困っていた。




あれ?これは・・・と思って


もう一度慎重に


シャッターのアイコンに触れないように


あえて夜景に向けて


スマホのカメラを構えた。


両手で。



どう?そんな気持ちで。



そしたら



もう一度、


目の前で、


確実に触れていないシャッターが


連続で切れた



父だなって、思った。





この山に連れてきてあげればよかった。





クネクネした何十分もかかる山道は


車でも左右に身体が振られるので、


体幹がなくなった老人には


身体を支えられず辛いかな、と


意識から外してしまった。


ギリギリまだいけそうな頃に


連れてきてあげればよかった。




旦那や息子と一緒の車の中だけど


暗いから。


暗闇にまぎれて


静かに、涙。




でも、今は、もう苦しみから解放されて


楽になっているはず。


今も、一緒に見てたはず。




後悔は一杯残った。




それも もう取り返せない


でも、精一杯だったし


全てが絡み合っている、私だけの事情じゃない事も


痛感して


それに救われもし


新たな傷を負ったりもした。




その痛みも


まるっと抱えて生きてゆくしかないから


無駄にしないように


しっかり抱えて


味わって


逃げないで


生きてゆく。



今まで、ありがとう・・・



最後に父は


今までなら


絶対に口にしない言葉を


口にした


何故怒って言うの?と問うた私に


「自分に、怒っているんだ」と。




もう、ベットの上で動けなくなって


意識も半分向こうの人だったのに




自分に向き合う事を


最後にしていたんだね。


尊厳を手放さず、


見つめていたんだなと思うと


何故今なのか、と切なかったけど




立派だったよって


最後の最後で


父を誉められた。




言葉や扱いは


変わることは無かったけど  



何かが届いたと、


信じられる言葉だった




絶対に口にしない言葉だったから


たった一言で伝わった


許せたよ。


そして


あなたが私にくれたものにも


これから、素直に向き合える




ありがとう


最後まで


頑張ってくれて




きっと私を


最後に


ちゃんとみてくれた。


報われたし


救われたよ。




家族は、最悪の醜態を晒したけど  



きっとこれも


膿出しなんだね




父が旅立った後に


誰かが


私を助けてくれた事


気づいてたよ


きっと父だろうなって思った。




あり得ないタイミングで


色々を明かしてくれて


導いてくれたね。




向こうに行ったら


囚われが無くなって


縛られていたものから自由になれて


素直に


真っ直ぐ、見通せるのかなって思った





血族の中で、


私はずっと孤独だったけど





あなたが旅立ってからの方が


あなたとは近くなった気がしています。




手続きが終わったら


姉とは疎遠になります


母ともできる限り疎遠になる道を選びます




それをしていい、


自分に許可が出せました。


あなたが明らかにしていった事の


おかげです




もし、申し訳なく思っているなら


私が自由になる事を


支えて下さい




彼らの尻拭いを


させる場所に


縛らないで